地域医療連携の大切さ。
済生会川内病院(http://www14.synapse.ne.jp/saiseikaisen/)の広報誌「にじ3月号」連携医療機関の紹介で、かみむら耳鼻咽喉科の情報を掲載していただきました。済生会川内病院は、当院から車で数分の距離にある地域の中核病院の一つです。院長自身も平成16年~20年まで勤務しておりました。耳鼻咽喉科領域の画像診断(放射線科)や、小児科や内科など、多くの専門医の先生にお世話になっております。一人の患者さんを複数の医師で診るということにもなり、連携の大切さを常に考えて紹介させていただいております。
日本の医療制度は、フリーアクセス(どこの医療機関でも自由に受診できる)のため、かつては「行けばなんでも診てくれる病院」、「治るまでゆっくり入院できる病院」と地域の中核病院へ患者さんが集中してしまう傾向がありました。そのため、中核病院の、医師や看護師、専門技師をはじめ、さまざまな医療従事者への負担が大きくなってしまい、医療従事者への過度な負担増は、医師や看護師などの離職の要因となっております。そして、医療従事者の不足は、病院の破綻につながり、最悪のケースでは地域医療の崩壊を招いております。上述のような医療機関の現状を打開するためのひとつの方法として、国(厚生労働省)は、数年前に「地域医療連携」指針を示しました。その心は、『地域全体で地域医療を支えよう』です。地域医療連携とは、「地域の医療機関が自らの施設の機能や規模、特色、地域の医療の状況に応じて医療の機能分担や専門化を進め、各医療機関が相互に円滑な連携を図り、其々の医療機関の有する機能を有効かつ迅速に活用することにより、より一層皆様が適切な医療が受けることが出来るようにするもの」です。
地域の医療機関は中核病院だけではありません。開業医による各専門診療科医院をはじめ、診療所や介護療養施設、訪問福祉型民間業者などがあります。これらの医療機関がバラバラに医療サービスを提供するのではなく、地域の医療機関が連携し、それぞれの医療機関の特長を活かし、地域全体がひとつの医療システムとなって、最適な医療サービスを提供しようという考え方です。ここ薩摩川内は、地域医療連携がうまく機能しており、より良い医療サービスを提供できていると思います(川内医師会http://www4.synapse.ne.jp/sendaiisikai/)。かみむら耳鼻咽喉科では、耳鼻咽喉科の専門性はもちろん、何でも相談できるみなさまのかかりつけ医になれるよう努めていきたいと思います。