日帰り手術
かみむら耳鼻咽喉科では、局所麻酔による日帰り手術を行っております。入院施設がありませんので、低侵襲・短時間手術(30分程度)を基本原則としております。外来診察後、手術が決まりましたならば、手術1週間前に採血などの手術に必要な術前検査を行います。手術前日は、いつも通りの仕事や生活を行っていただき、体調を整えてください。手術日当日は、手術3時間前までに食事等を済ませ、それ以降は絶飲絶食をお願いしております。
手術30分前に、ご来院ください。
なお、下記に該当する患者さまは、当院での日帰り手術はお受けできません。安全面を考慮し入院手術が望まれます。ご希望あれば、対応可能な医療機関をご紹介いたします。
日帰り手術をお受けになれない患者様の例
・心筋梗塞・狭心症・不整脈・ペースメーカー装着している方
・脳梗塞・脳出血の既往のある方
・抗血栓薬を内服している方(ワーファリン、小児用バファリンなど)
・内服中にもかかわらず血圧150/100以上ある方
・糖尿病(インスリン治療中または血液検査でHbA1c6.5以上の方)
・人工透析中の方
・肝炎・肝硬変の方
・妊娠中の方や乳幼児の方
・インターフェロン治療中(B型C型ウィルス性肝炎、悪性腫瘍、白血病)の方
など
日帰り手術の実際
主に外来でおこなう手術:「かみむら耳鼻咽喉科で行っております」
◎鼓膜切開術、鼓膜チューブ留置術:鼓室の貯留液の排出、換気のために行います。
◎鼓膜形成術:鼓膜の穿孔を閉鎖し再生させる手術です。
主に入院(紹介)で行う手術:「手術対応可能な病院にご紹介いたします」
◎鼓室形成術:鼓室の病巣郭清や耳小骨連鎖形成術を行います。
◎乳様突起削開術:乳様突起(耳後部の骨)内の病巣郭清のために行います。
◎アブミ骨手術:アブミ骨が固着している場合に行います。
鼓膜形成術(湯浅法)について
接着法の適応は、鼓室に病変が無く、穿孔を仮に紙や綿などで閉鎖したときに(パッチテスト)十分な聴力改善が認められる場合です。その他、聴力に関係なく穿孔が原因となる耳漏を停止する目的でも適応となる場合があります。なかには単純な鼓膜穿孔のようにみえる中耳炎でも、鼓膜の裏面に鼓膜表面の表皮層(角化重層扁平上皮)が入り込んだり、中耳病変が存在することがあります。このような場合には、鼓膜形成術が適応とならず、鼓室形成術が必要となる場合があります。
手術方法
1.鼓膜形成材料の採取(耳後部の皮下結合組織)
2.穿孔辺縁の切除
3.採取した皮下結合組織をトリミング後、残存鼓膜へ接着し鼓膜穿孔を閉鎖
4.フィブリン糊による固定
※皮膚切開は基本的に鼓膜形成材料部のみで2cm程度です。
術式は簡潔ですので通常30~40分ぐらいで終了します。
接着された鼓膜形成材料には、1ヶ月位すると血管が伸びてきます。その後形成材料は徐々に薄くなってきて、場合によっては完全に吸収されてしまいます。3ヶ月位経つと、鼓膜が再生し穿孔は完全に閉鎖します。