接遇と電子カルテ
明けましておめでとうございます。2013年が始まりました。みなさま、それぞれの目標をもって新しい年をお迎えのこととおもいます。
かみむら耳鼻咽喉科は、昨年4月に父の上村達郎から上村隆雄に院長交代し、新たな体制で医療に取り組んでおります。なかでも昨年秋から特に力を入れていることが「接遇」と「電子カルテ」です。20数年前の研修医時代に、上司から「某大学の医局では、研修医にホテルで接遇研修をさせているそうだ。患者さんに接するときはしっかりと対応しなさい」とに言われたことがありました。医学部の講義や実習では教わることもなく、社会人1年生の研修医にはあまりピンときませんでした。医師6年目に米国留学(1996-98年)を経験し、当時、米国で私や家族が患者としてクリニックを受診したときに、日本との対応の違いに衝撃を受けました。それは、事前予約と医療スタッフ対応の良さと充実度です。日本との医療制度の違いはあるものの、彼らの対応はまさにプロの業でした。私自身、医者として、相手(患者さま)あっての医療を常に考えながら医療を行って参りました。院長となった今、「かみむら耳鼻咽喉科」スタッフ全員、私と同じ方向にならなければ、チームとしてうまく機能しません。ある患者さまに電話や待合での対応の不手際をご指摘いただきました。「これではいけない」と深く反省し、さっそく改善に取り掛かりました。医療における接遇は、大学の時代から強く意識しており、医局での接遇研修会企画や、かみむら耳鼻咽喉科リニューアル時(平成20年)のスタッフ研修も行って参りました。今回のご指摘を受け、「スタッフ全員に院長と同じ姿勢、方向を向かなければ私が目指す医療が出来ない」との思いから、ラ・ポールの福岡かつよ先生(ホームページ:http://ra-pport.com/)にお願いし、昨年10月から月一回、クリニックの現場で、スタッフ研修を行っております。福岡先生には、何かのご縁でお願いしたのですが、まさに接遇のプロです。今月のプレジデント(プレジデント社 2013 1.14号 174-175頁)に掲載されていますのでぜひご覧ください。今年秋まで1年間の予定ですので、かみむら耳鼻咽喉科とスタッフがこの研修でいかに変わっていくのか、みなさま、ぜひご指導やご指摘をよろしくお願いいたします。
待ち時間対策の一環として、電子カルテを導入いたしました。電子カルテは、事務処理のスピードアップとカルテ保管の容易さで今の医療には必要なツールです。今までの紙カルテの場合、患者さまが来院される➡カルテ棚(あるいは倉庫)からカルテを出し診察室まで運ぶ➡診察所見、処置、処方を医者が記入する➡カルテを事務に運ぶ➡事務が事務処理を行う➡処方箋と請求伝票ができる➡ようやく患者さまにお渡しするという、一連の処理工程が必要で、かなりの手間ひま、時間のロス(待ち時間)が発生しておりました。これを解消すべく、昨年11月に電子カルテ(ダイナミックス)を導入し、2か月の試用期間を経て、この1月から本格運用となります。ダイナミクスは開発者が現場の医師(吉原正彦先生)ですので、医師がより使いやすい設計になっております。電子カルテにより、診察終了時には受付では、すでに処方箋や伝票ができている状態となり、診察終了後の待ち時間が今までより短くなると期待しております。また、過去のカルテの検索や、収納スペースもいらなくなるので、受け付けも広くスッキリとなり、より良い医療サービスが提供できるのではないかと思います。今年もかみむら耳鼻咽喉科をよろしくお願いいたします。
追伸:年末診察終了後、スタッフ全員で、受付を中心にカルテの整理、清掃を行いました。スッキリとなり、いい仕事が出来そうです。写真は、整理後の受付の様子です。そのうちに、紙カルテの収納スペースは要らなくなると思います。