かみむら耳鼻咽喉科では、鹿児島市・薩摩川内市を中心に耳鼻咽喉科、アレルギー科の日帰り手術に力を入れております。最寄り駅は、JR『鹿児島中央駅』から直通の『川内駅』です。

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この冬の当院での新型コロナ感染対策

2019年12月に武漢での流行が報告されて以来3年が経ちました。あれからワクチンや検査・診断・治療法もある程度、確立されてきました。しかしながらいまだ収束せず、この冬も当院を含めすべての医療現場でより一層の感染対策が行われていることでしょう。

コロナウイルスはこれまでに幾度も変異し、そのたびに変異株が生まれてきました。現在感染の主流になっているのが「オミクロン株」です。オミクロン株は2021年に急拡大したデルタ株よりも感染力が高く、下気道(気管・気管支・肺)よりも上気道(鼻から喉まで)に強い症状が出るという特徴があります。2022年初頭から起こった感染拡大の「第6波」では「BA1」「BA2」系統が主流で、その後「BA5」系統への置き換わりが急速に進み、その影響によって2022年6月頃から「第7波」が到来。その後秋には小康状態となりましたが、11月から徐々に感染者が増え、2022年12月現在「第8波」に至っております。この冬はインフルエンザ流行も予測されており、新型コロナとインフルの同時流行に注意しながら、当院でも感染対策を行っております。

「BA5」系統による第7派の感染拡大期では、「38℃以上の高熱」や「倦怠感」といった症状を訴える人が多い傾向があります。また「鼻水」や「せき」といった症状を訴える人も少なくありません。イギリスでのBA5流行期の調査では、鼻水 66%、のどの痛み 65%、頭痛 64%、 63%、だるさ 62%、くしゃみ 53%、声のかすれ 44%、発熱 31%、嗅覚異常 21%と報告されており、鼻水やのどの痛み、咳が多いようです。これは、多くの方が耳鼻咽喉科を受診される症状なのです。

また、症状が続く期間にもオミクロン株の系統での違いが出ています。BA1では平均4日間だったのに対し、現在流行の主体となっているBA5は平均7日間と、やや長めです。今新型コロナ感染症になった場合、BA5に感染している可能性が高く、発症した場合は、症状や療養期間が長期間(1週間程度)になる可能性が予想されます。

3年前の新型コロナ感染症は肺炎等の下気道症状が注目されておりましたが、現在は、鼻症状(鼻水・鼻づまり・くしゃみ)、のどの痛み、咳、声枯れ等の上気道炎症状を感じる方が多くなってきており、普通の風邪症状との鑑別も症状や臨床所見からは困難になってきております。これらの症状がみられた場合、無理はせず仕事や学校は休んで、状況によっては、ご自身での簡易検査(抗原検査)や医療機関で検査(抗原検査やPCR検査)を受けるようにしましょう。

新型コロナと通常の風邪との鑑別が困難なため、上気道炎を診るわれわれ耳鼻咽喉科医の大きな悩みの一つになっております。新型コロナ流行以前は、鼻処置やネブライザー、鼻や咽頭への薬剤塗布や擦過処置を意識することなく行っており、これが耳鼻咽喉科の外来治療(処置)特徴となっておりました。しかし、コロナ禍の現在、以前は耳鼻咽喉科外来で普通に行っていた処置や治療行為が飛沫感染やエアゾル感染・接触感染を誘発する可能性もあり、現在、感染対策に十分留意しながらの対応を取らせていただいております。かみむら耳鼻咽喉科では2020年春から鼻やのどのネブライザーは休止し、今も休止継続中です。

当院では感染対策の一つとして、以下の流れで対応しております。

まず受付(医療事務)がお電話で、かぜ症状(鼻症状、咳、のどの痛み、声枯れ等)、発熱、家族や職場での新型コロナ感染者等のご質問状況によって、院外(お車や屋外)での待機のお願い看護師(または院長)が電話での問診以上を確認後、状況により院長が予防衣を着用し、お車や院外で診察および新型コロナ抗原検査』を行います。

なお抗原検査が陰性でも、下記の通り100%陰性とは言えません。このため院内での診察や処置は行わず、まずは投薬のみを行い自宅で様子を見ることを勧めております。新型コロナ流行期(第8波)の今は、抗原検査で陰性であっても、院長の判断で鼻・咽頭の治療(処置)をご希望の方にも、院内(診察室)に入ってもらっての処置等をお断りすることもあります。感染対策の一環(処置により院内での感染を発生させてしまう可能性を考慮)ですので、引き続き、ご理解、ご協力お願いいたします。

新型コロナの検査については、PCR検査長所⇒感度が高い、②抗原検査;短時間(5-15分)で判定可能だが、短所⇒感度がPCRに劣る(陰性や擬陽性が起こりうる)。当院では、抗原検査のみ行っております。以前から季節性のインフルエンザ(抗原検査)でも経験しており、新型コロナも同様です。風邪症状があり、他院や自宅で検査を受けて陰性だったものの、症状が改善せず後日当院で検査を行ったら新型コロナ陽性であった。おそらくこの逆もあるかと思います。このため、新型コロナ流行期のこの冬は風邪症状が長引く場合は、無理をせず、仕事や学校を休んで様子をみましょう。

何かと忙しい季節です。十分な感染対策を行いながら、くれぐれもお体にご自愛くださいませ。

◇新型コロナの情報は以下ご参照ください。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20220718-00306174

https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20221123-00325153