アレルギー・喘息
慢性鼻炎は、詳しく調べてみますとアレルギーから起こる鼻炎のことがしばしばみられます。花粉の飛散時期に発生する季節性アレルギー性鼻炎(スギ・ヒノキ 花粉症、イネ科の花粉症など)。季節的なものと違い年中症状が表れる通年性アレルギー性鼻炎(ダニ、ペット、カビ、食物などが原因のアレルギー疾患)があ ります。症状は、どちらも似通っていて主に鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、目、のどのかゆみや痛みなどが生じます。また、ひどい時には発熱、呼吸困難、蕁麻 疹などの全身症状が出る場合もあります。また、鼻づまりが喘息を悪化させる一因となりますので、鼻を治療することが大切です。お子様の場合、しばしば皮膚 症状も悪化します。検査でアレルギーの原因(アレルゲン)を調べ、それに対応していくことが大切です。
喘息と耳鼻咽喉科疾患、特に中耳炎や鼻疾患(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻ポリープ)とは密接な関係があります。成人喘息患者の8割に鼻炎症状があり、アレルギー性鼻炎患者の3割に喘息の合併があるといわれています。鼻とのどや気管・気管支は密接に関係していますから、鼻炎の治療は下気道の環境改善に非常に有効で、鼻の状態を良くすることで喘息や気管支炎の症状は非常に楽になります。つまり耳鼻咽喉科で上気道の環境を改善することがとても重要です。喘息にはアトピー型と非アトピー型があり、アトピー型はアレルゲンに対するIgE抗体を証明できるもので、小児気管支喘息では9割以上、成人気管支喘息では4割で検出されます。アレルゲンとは、われわれの生活環境に存在して、IgE抗体によって媒介される即時型アレルギー反応を誘発する抗原物質のことで、様々な物質がアレルゲンとなり得ます。近年、喘息に合併する難治性の中耳炎(好酸球性中耳炎)や鼻ポリープを伴う難治性の副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)の存在もわかってきており、重症化させないよう上気道を含めきちんと喘息管理、治療することが大切です。