レーザー治療
花粉症・アレルギー性鼻炎のレーザー治療とは
レーザー治療は、アレルギー性鼻炎に対する手術治療の一つです。アレルギー性鼻炎や花粉症などのくしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状に効果があります。
鼻粘膜の表面(下鼻甲介)をレーザーで照射することにより、以下の4つの有効機序が起こると考えられております。
- ①鼻粘膜表層のアレルギー反応の場を変性させます。また手術により
- ②腫れていた粘膜が凝固して鼻の中の空間が広がり鼻づまりが解消します。
- ③そして粘膜が硬くなると(再生上皮の重層扁平上皮化生)、外から侵入してきた花粉が付着しづらくなり、
- ④また照射された場所は水分が失われるので、花粉が付着したとしても抗原が生体内に入りづらくなります。
こうして鼻づまりだけでなく、くしゃみや鼻水などの症状も抑えられるのです。
レーザーを下鼻甲介の粘膜に照射します
このような方におすすめ
- 鼻炎症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)のうち、鼻づまりの症状が強い方
- 慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎など、一年中症状のある方
- 薬の効きが悪い人
- 花粉飛散シーズン中の症状がひどくて辛い方
- 妊娠を予定している方や授乳中の方、お薬が飲めない方など
治療時期
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①レーザー治療を行った方がよいかどうか、いつ行うかについて、医師と相談して決めます。
治療を受ける前に、治療内容や治療後について、疑問に思うことや不安なことがあれば、お気軽にお尋ねください。必要に応じて、アレルギーの原因物質について血液検査を行います。 -
②スギ花粉症の場合には、症状が出ない秋から冬に治療を予定いたします。
(受付は5月~12月に行っております)
治療の流れ
■問診・検査
レーザー治療を行った方がよいかどうか、いつ行うかについて、医師と相談して決めます。
治療を受ける前に、治療内容や治療後について、疑問に思うことや不安なことがあれば、お気軽にお尋ねください。
必要に応じて、アレルギーの原因物質について血液検査を行います。
■手術日の流れ
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当日の朝食は、手術前3時間までにお済ませください。
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術前診察を行います(診察、体温・血圧測定等)。
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止血剤+麻酔液のついたガーゼを鼻腔内に挿入(局所麻酔)し、10分間処置室ベット上で待機していただきます。
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診察室でレーザー手術(10-20分間)を行います。当院ではCO₂レーザーを使用します。
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術後5-10分、待合室または処置室ベット上で待機していただきます。
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全身状態や止血等確認し、終了です。
治療(手術)における注意点
- • 出血傾向のある方、血液をサラサラにする薬を内科で服用している場合はまず主治医に手術を受けることが可能か相談してください。
- • 心臓病、高血圧などの循環器系の病気、緑内障、前立腺肥大、麻酔薬に対するアレルギーは必ず申告してください。
- • 術後当日は入浴しないでください。スポーツや長時間の入浴(温泉など)は1週間ほど控えていただきます。
よくある質問
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手術前日に特に注意することはありますか?比較的安全な手術ですが、手術前日は過労・暴飲暴食・飲酒を避け、睡眠をよく取って体調を整えて来院してください。体調が優れない場合は遠慮なく申しつけください。
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治療効果はどのくらい続くの? また手術費用は?レーザー治療は、あくまでも鼻の症状を軽減する治療であり、永久的に完全に症状をなくしてしまうものではありません。個人差がありますが、半年~2年程度です。
手術費用は「鼻甲介粘膜レーザー焼灼術(両側)2,910点」で算定されます。その他の手術諸経費を含め、3割負担で10,000円程になります。 -
どのくらいの効果があるものなの?鼻づまりは80%以上の患者さんで改善するとデータが出ています。その他、鼻水やくしゃみも改善されます。ただ、効果には、個人差があり、1回の施術で効果が出ることもありますが、2回程度の治療が必要になる方や、治療効果が出にくい方もいらっしゃいます。
ただし、鼻粘膜の治療であるので、鼻症状には効果がありますが、目の症状やのどの痒みには効果がありませんので、ご注意ください。 -
何歳くらいから治療ができるの?なかには手術に恐怖心をもたれるお子さんもいるので個人差はありますが、小学生高学年以上(中学生からは大半が可能です)でお願いしております。健康な方なら上限はありませんが、経験上、70代までの方におすすめしています。
授乳中は問題なくできますが、妊娠中はご相談ください。喘息をもっている方は、レーザーを照射したときに出る煙で発作を起こすことがあるので、喘息のコントロールが出来ていない場合、避けたほうが良いでしょう。軽い方は主治医から許可が出れば大丈夫です。